──“銀河系”を創った男、フロレンティーノ・ペレス
サッカークラブの会長といえば「裏方」。でもレアル・マドリードの会長だけは違う。
この肩書きに“物語”を持ち込んだのが、フロレンティーノ・ペレスです。
「名前は知ってるけど、なにした人?」と思う方へ。
この人、「会長」なんて控えめすぎる。
もはや**“クラブ経営を超えたサッカー界の王”**です。
◆経歴:土木からサッカーへ、国家級キャリアの男
1947年、マドリード生まれ。工学系のエリート街道を進み、スペイン最大級の建設企業「ACS」の会長に上り詰めます。
その傍ら、2000年にレアル・マドリード会長に就任。
最初にやったのが、バルサのフィーゴを“引き抜く”という歴史的事件。
ここからすべてが始まったんです。
◆「集める」「見せる」「勝たせる」の怪物会長
ジダン
ロナウド(ブラジル)
ベッカム
オーウェン
…この並び、全員“同じクラブにいた”という事実が異常。
しかも全盛期に。これが“銀河系政策”。
ビッグネームを集め、世界中の視線をマドリーに集中させる。
マーケティング、放映権、グッズ…すべてが爆発的に伸びたのは偶然じゃない。
それでもピッチ上の結果を犠牲にしないのがペレス流。
**「ショーと勝利の両立」**という究極の矛盾を、実現させた数少ない会長です。
◆第2期政権:ガラクティコ、再び
2009年、再登板。
いきなりC・ロナウド、カカ、ベンゼマ、シャビ・アロンソを爆買い。
「また始まったぞ…」と世界がざわめく。
その後、アンチェロッティ政権で念願の“デシマ(CL10回目)”を達成。
ジダン政権ではCL3連覇。
ここまで来ると、もう「成功」という言葉じゃ足りません。
◆スタジアムすら銀河級に
ベルナベウの改修にも着手。可動屋根、360度スクリーン、地下駐車場完備。
「サッカースタジアムなのにIMAX感」と話題に。
**「未来のクラブは、箱から違う」**というヴィジョンを現実に。
◆“悪役”扱いすら魅力にする存在感
スーパーリーグ構想の中心人物。移籍市場での強気交渉。審判問題への発言。
時に「悪役」として描かれがちな男ですが、それすら含めて物語性がある。
なにより、マドリーが勝ち続けているという事実。
会長としての評価は、すべてそれに集約されます。
◆それでも会長は続く
77歳になっても、退く気配はゼロ。
若きスターを仕入れ、スタジアムを完成させ、次の時代へ布石を打つ。
その背中を追える会長が、世界に何人いるでしょうか。
「世界最高のクラブの背後に、世界最高の会長あり」
ペレスという名は、サッカー経営の歴史に深く刻まれています。
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